元日本共産党草加市委員長・中嶋つかね公式ブログ

元日本共産党員の中嶋つかねです。 埼玉県草加市在住、76歳、在宅療養中。党の専従生活40年。党文京地区委員長や衆院候補、文京区長候補など歴任。党内民主主義の発展、官僚主義と保守主義の克服のために運動しています。市・県・国政のこと、日本共産党のことなど記します。

古参党員が日本共産党草加3市議除籍問題から学んだこと

野党共闘から政権担当の時代へ

日本共産党の党規約は、全党員参加の活力ある党への成長と、国民にとって魅力ある組織政党へと成長する原動力。

党機関自らが党規約で明記された「党内民主主義」を率先垂範して、実践することが急務になっている。

 

党歴56年、専従歴40年、衆院選立候補4回の古参党員が、草加3市議除籍問題―青年市議の主張から学んだこと

 

(1)はじめに

日本共産党草加市議団の3市議が2019年12月2日に離党届を提出したうえで、12月5日に同会派を離脱し「市民共同議員団」を発足させました。この件は『しんぶん赤旗』に掲載・報道されて、全国に大きな衝撃を与えました。

突然の報道に全国の党組織と党員は、一体何があったのかと驚くと同時に、「青年議員が何ということをしてくれたのか」と、多くは非難と憤りの声が広がっていきました。そして全体として、党内では「なぜこのようなことになったのか」というよりも、「何てことをしてくれたのか」と草加3市議への疑問と不信が広がっていました。さらに「そのような酷いことをしたのに反省もしていないのでは、処分するしかない」と、そういう機運が広がっていったのです。

しかし、同時に、広範な党支持者、日本共産党に関心をもちはじめていた方々からは「なぜ3市議はそうせざるを得なかったのか。そこをぜひ知りたい」との声も上がっています。

昨年の春、都内のある地区で東大出身の若者から「共産党への入党を考えている。99%まできているが、最後の1%で踏み切れない。それは草加で共産市議が離党して別会派結成したことだ。一体何があったのか、数か月たっても赤旗では何の報道もないのはなぜか」との意見が寄せられています。

党内の反応だけでなく、党外の国民がどのような問題意識をもっているのかーそれがどう受止められ、それにどう日本共産党が向き合うのかが問われているわけです。

 

(2)党議員の不適切行為を党内処理して表に出さないことが「党を守る事」なのか…
―もうそのような時代ではない、2市議は辞職を

 

2019年9月13日に、草加市議団内の不適切行為が発覚した時点で、佐藤団長が党機関に報告すると同時にOB議員に事実を報告したところ、その多くからは「表に出してはならない、党内で解決することが日本共産党を守る事」、「佐藤さん、両名とも議員辞職って、佐藤さんはまだ若いね」そのように繰り返し言われました。

2020年2月から4月にかけて、私は3市議からこの問題についての基礎資料51ページ分を入手し、調査と分析をおこないました。この基礎資料すべてを党中央委員会、県委員会、地区委員会に訴願文書と一緒に届け、党内開示を求めました。しかしこの開示要求は一切取り上げられませんでした。

私はやむを得ず、草加市議団問題に強い疑問(なぜ3人は離党届を出すに至ったのかなど根本的な疑問)を持つ信頼できる同志たちに、党機関が開示を拒否したこの51ページ分の基礎資料を伝えて、どう思うかを聞いてきました。こうした経緯で、草加市党の中に基礎資料を開示された党員と、全く開示されない党員との間に大きな溝と亀裂が広がっていきました。

私は基礎資料を基に分析していましたが、2020年9月に党機関が3市議の除籍を強行しました。9月23日に、除籍された佐藤のりかず市議が市議団不適切問題にかかわる公式ブログを発表、同年11月15日には地区常任委員会によって市委員長だった私の除籍も行われ、のちに「中嶋束公式ブログ」を立ち上げ草加市議団問題での「3つの闇」について客観資料に基づいて開示しました。それをお読みいただければ、私の主張がよくお判りいただけるかと思います。ぜひ目を通してください。

 

 

(3)党中央・規律委員会が「共闘時代に市議団2人の辞職はあってはならないこと」と辞職に反対
草加市議3人は「2人の議員辞職こそ党への信頼を回復する道」と主張

 

問題を起こした2人の市議会議員は、2018年10月の市議会議員選挙に向けて、日本共産党東部南地区委員会が責任をもって市民に推薦し指示を求めた候補者で、この2人を含む5人全員の当選を勝ち取りました。草加3市議が主張する、様々な問題を起こした2人の市議会議員が党規約第5条「党員の義務」を蹂躙し、市民道徳を踏みにじったことは当然大問題であり、2人とも議員辞職させるということは当然の判断でした。

本来は、彼らの主張通り地区委員会が記者会見をおこない、「何があったのか」「どうしてそのようなことになったのか」「二度と起こさないためにはどうしたらよいのか」を共産党としての決意を市民に示すことは当然です。

ところが、2人とも議員辞職せよという3市議の主張に対して、日本共産党中央委員会の党規律委員会は、野党共闘の世論を高めていく上で日本共産党が大きな役割を果たすべきときに「1つの市議団から2人も議員辞職を出すなどあり得ないことだ」という極めて特殊な政治基準をもって、3市議の要求を拒否したのであります。

この党規律委員会の見解は、かつて共産党が、共産党を除くというかたちで包囲され苦しみ抜いた時期に、議員の不祥事が党に打撃を与えることを懸念してそういう対応をしたことがあったことは、私は絶対に肯定しませんが、ある意味では必要な判断だったという面もあります。

しかし、野党共闘の真ん中に座って、国民とともに新しい政治を築こうという党が、議員の不祥事に蓋をして、議員辞職をやめさせるということはあってはならないことです。これは3市議が言うように、積極的に開示をして議員辞職をさせ、次の選挙に立ち向かっていく、そういうことが日本共産党は他の政党と違って国民に隠し事をしない自浄能力がある政党だということ、深刻な体験だが、かえって日本共産党への深い信頼を形成することになるのではないでしょうか。

私は3市議の判断と主張を積極的に評価し、表に出さないというかつての“常識”に一時期とらわれた自分を反省し、彼らの主張を全面的に支持するようになっていました

 

 

(4)「社会的道義に反する行為」のためと原因の公表に蓋をするのでは、党機関の教訓化もなく、同じ過ちが繰り返される事に

 

もう一つの問題は、議員辞職の理由開示についてです。

党規律委員会は辞職理由を、「社会的道義に反する行為をおかしたこと」とすることに固執し、どのような不適切な関係があったのかにまで立ち入って説明する必要はないと主張。3市議の主張は、ジェンダー平等における今日の社会的基準―「セクハラ行為や性暴力について被害にあった女性にも問題があるとの考え方は誤りである」を無視して、日本共産党がセクハラ・性暴力での二次被害拡大の加害者になれと広げることになると論難、青年市議の主張を拒否しました。

しかし、事実は、草加における2人の議員の間の不適切行為がきわめて長期に渡ること、女性市議が市議選の候補者に最初に挙げられたときに本人からは一切そのことへの申し立てがなかったこと、そして2人の事情聴取と記録からは、女性市議に男性市議の行為を積極的に受け入れたことが実証されています。そのような関係で、今日草加市議団問題の2市議は、調査によれば2人だけでお酒の入った飲食を市内の居酒屋などで繰り返ししていたことも明らかになっています。地元の飲食店街でも話題になっていました。

したがって、多くの市民が現場を見ており、SNSが大いに普及している今、いくら「社会的道義に反する行為だ」と言い立てても、実は2人の間にこのようなことがあったのだと市民の間に広く流布されることになり、かえって市民から不信を招いてしまう、実際にそういうことが広がっています。「社会的道義に反する行為」というだけで原因に蓋をせず、可能な限り何があったのかを市民に公表する必要があります。公表の内容について3市議は、党機関と相談をしたうえで公表するという手続きをしたいと前から表明していました。しかし、それも拒否されてしまいました。

 

 

(5)ある自治体では、共産党7議席が4議席に減

1人病気、1人不倫疑惑、1人セクハラで一期のみ。しかし党機関での総括、教訓化はなし。

 

日本共産党埼玉東部南地区のある行政区ではこの間、現有7議席が4議席に後退しています。原因はタイトルにあるとおりですが、党内処理され、今に至るもなぜこのような事態が起きたのかについては知らされていません。行政区で起きたことについて、地区常任委員会・地区委員会として、議員・議員団への指導と援助の改善、教訓化はおこなわれた節がありません。埼玉県委員会でも同様の対応と思われます。誠に残念なことです。

・東部南地区委員会では、草加市議団内の不適切行為が明るみに出ました。

所沢市議会では、10期を務めたベテラン議員が突然議員を辞職しました。表向きは病気となっていますが、巷間では、他党の女性議員へのセクハラ行為が問題とされているようです。また、昨年の全国一斉地方選挙で当選した青年議員が離党し、一人会派となっています。原因はパワハラのようです。所沢市議会では、6人の党市議が、あっという間に2議席減の4議席となりました。

・昨年9月の福島県いわき市の市議会議員選挙では、4年前に当選した4人の党議員のうち、今回3人が立候補を辞退、あとの1人は離党して無所属からの立候補となりました。いわき市民の前から党議員4人がすべて姿を消したのです。
私は自身の除籍を含め草加で起きたことを、学生時代や専従時代の友人たちに明らかにしました。これに対して他県在住の複数の友人から、自分の地域でも突然市議が辞職すると発表され、党機関に原因を聞いても、個人のプライバシーに関わることだから説明できないと言われたと、返信が寄せられています。これが事実であるならば、非常に残念なことです。

2019年10月22日、草加3市議が招集されて、彼らの主張に対する党中央の助言が報告されました。その会場で、全国党地方議員不祥事一覧表(中嶋仮称)が配布され、その場で回収されたと佐藤市議の公式ブログで公表しています。

 

 

(6)草加3市議問題での青年市議の主張から私が学んだこと

日本共産党員にとって、「党規約」とは党員を取り締まる“べからず集”ではない、「日本共産党の党支部と党員が党規約を見る目を一変させる必要がある」ということです。

・党規約第15条には、党内民主主義を貫く3つの原則が明記されています。これは特に党機関に対して、その重要性が強調されています。

・党規約44条には、地方議員と地方議員団の指導については中間機関が責任を負う、ということが明記されています。これも党機関のあり方を鋭く指摘している問題です。

この間党規約は、政治情勢の大きな激動のなかで、その激動を積極的に汲み取って党が大衆的前衛党に育っていくための指針として改定されています。それは中央委員会と同時に県委員会や地区委員会の党機関としての指導力量と指導水準の向上を、かつてなく求めています。

そういう意味では、今回の草加3市議の問題を通じて、党規約は日本共産党という政党が全党員参加の活力ある党に成長していく上で、また国民にとっていかに魅力ある人間組織に成長する上で重要なのか、そのことを強く訴えていく必要があります。

 

 

(7)第19回党大会決議は、党機関が杓子定規的、機械的、官僚的対応に陥ることを繰り返し厳しく戒めている

第19回党大会決議は、50万に接近するという大きな組織になる時点で、日本共産党の党組織としての発展を全党員に提起した画期的な方針です。特に、党運営にあたって、党機関が杓子定規的、機械的、官僚的対応に陥ることを、繰り返し厳しく戒めています。

今、日本共産党の党勢は急速に高齢化し、支部活動をけん引していく地区委員会の専従者の確保も難しくなり、支部との関係で決定的な役割を果たす地区委員会の人間力・政治力が急速に低下して、いろいろな矛盾が起きています。私は草加市議団問題を通じて、全国の党支部と党員が「党規約とは何か」「たとえ党機関であっても誤りを犯すことはあり、それをただしていくのが党員の任務なのだ」という形で教訓をくみ取って、野党共闘から政権を担う党への画期的な発展を期待するものであります。

 

(8)市議団問題での党機関の指導を批判し、除籍撤回を求めます

 

私は、草加市議団問題における党機関の対応について厳しく批判し改善を求めています。決して共産党の綱領そのものを否定したり打撃を加えたり、そういうことは全く意図していません。草加市議団問題に対する党規律委員会や党機関の誤った対応の是正を求めているのです。反党分子でもなければ反共分裂分子でもありません。除籍された3市議も同じ思いです。

私たちの真摯な問題提起を正面から受け止めて、3市議と前市委員長(私)の除籍を直ちに撤回し、名誉回復し、さらに党勢の多大な発展をさせることを心から願うものであります。

 

(9)最後に

私事ながら、現在、中嶋束は重度心不全にあります。この間、各症状が一気に悪化し、余命数週間という宣告を受けたなかで、この訴えを記するものです。

私は20歳で日本共産党に入党し、第12回党大会の民主連合政府綱領に大いに確信をもち、70年代の遅くない時期に民主連合政府をつくろう、この呼びかけをわがこととして全力を上げてきました。私は不当な除籍を受けましたが、今でも日本共産党員です。

時期は半世紀ほど遅れていますが、コロナ禍の激動のなかで日本の国民があらゆる角度から、かつて”責任政党”と言われた自民党の政治と相容れない、そういう認識を急速に広げています。今があの民連綱領を生かすまたとないチャンスです。日本の国民の歴史のなかで初めて国民一人ひとりが立ち上がり、一票の投票で日本社会を激変させていく、歴史的なまたとないチャンスが眼前に開けています。

ただこのままでは、私の病状では私の目が黒いうちに今年9月にそういう事態を迎えるまでに私の命があるかどうかは定かではありません。

聞くところによれば、東京では、大学での受験生を迎えた学生対話、フードバンクで集まってきた青年学生のなかからある受験生は「共産党のおじさん、私の話を聞いてくれてありがとう」などと高齢党員があちこちで感謝の言葉を述べられて、2月には70人の民青同盟加入者が出ていると聞きます。安倍政権から菅首相へ、このもとで日本の国民の政治意識に重要な変化が生まれようとしています。1月、2月の中間選挙の結果は、情勢の激変が共産党議席増に結びついていない非常に残念な結果になっていますが、どこの中間選挙でも投票率がはっきりと上昇しつつあるということには、着目しなければいけないのではないでしょうか。

国民の政治意識の大きな変化をしっかり捉え、いつまでも半信半疑にとどまらずに、全党員が中央の呼びかけにこたえて、この3月、4月特別期間の目標達成へ、特に宣伝カーやハンドマイクを毎日駅頭やスーパー前で毎日、一日50回、100回、日本中で共産党は何を始めたのかと国民が驚くようなド派手な音の宣伝の爆発、そこを突破口にして一千万人対話・入党対話、わき目をふらず比例850万票へ、奮闘しようではありませんか。